この春、雑誌版の「月刊ぴあ」が15年ぶりに復刊しました。今更「何故?」という気がしないでもないですが、先日たまたま書店で目に入ったのでパラパラと捲ってみました。
まず、及川正通の表紙が懐かしい。
私の学生時代は、まさに「片手にぴあ ポケットに10円」の時代でしたので(テレホンカードはありましたが)、「ぴあ」はマストアイテムです。
そもそも大学生くらいだと、オタク的に詳しいジャンルは別として、カルチャー全般に知見をもっている訳でもなく、それでも周りの友人達にはいい格好をしたいので、聞きかじりの知識で知ったかぶりをします。また、例えば話題になっているアートや映画、舞台の話になっても、「それがどうした」みたいな顔をして「ふーん」と斜めに構えたりしていたものです。
その陰で、これはという催しの情報をキャッチして、電話でのチケット争奪戦に挑んだものです。
「ぴあ」は、情報収集は勿論ですが、紹介記事や特集記事、はみだし情報(ページの左右の余白に縦一行で掲載されていた情報)などが面白かったのを覚えています。むしろこっちの方がメインでした。
よく指摘されているように、そのような記事の中に、自分が想定していない新しい出会いがあったと思います。こういった情報が自然と目に入るのが紙の雑誌のいいところです。
そして面白そうだと思ったらせっせと足を運びました。
「ぴあ」の創刊は72年です。
「チケットぴあ」の誕生が84年。
80年代は黄金期で、ピーク時には発行部数100万を誇ったとのこと。
やがてネットの時代となり2011年には休刊してしまいますが、
このたび、2026年4月に、15年ぶりに復刊したわけです。
確かに今はネットで調べたらわかるので、「わざわざ紙はいらないよね」となってしまいます。
今回の復刊は、単なる復古趣味ではなく、今っぽく、紙とスマホが連携したハイブリッド雑誌になっています。つまり、紙面のQRコードを読み取ればチケット購入や最新情報を得ることができるようになっているのです。
紙ならではの一覧性もあるし、裏表紙から捲れば「特集」や「インタビュー記事」「今月の私の“イチ”推し」など読み物としての楽しみもあります。
アプリと紙の違いは、買い物に例えるならば、ネット通販で指名買いするタイパの良さを求めるのか、実店舗でぶらぶらとモノを見ながら冷やかしつつ買い物する楽しさを求めるのかの違いといえるかもしれません。意外なものと出会って衝動買いする楽しみってありますよね。
そして、面白そうな映画、演劇、音楽、アート等々に出会ったら、「ぴあ」で予約してリアルな催しに足を運びましょう。配信もいいけどやっぱり生です。「没入感」を楽しみたいですね。
