歩く力 ~いつまでもアクティブであるために~

 

いつまでもアクティブであるためには体力が必要です。

といっても、アスリート並みの体力が必要な訳ではなく、最低限、自分の足で歩けること、
自分の行きたい所に、自分の足で、何の苦も無く行ける力をキープしたいです。

「歩くこと」、「食べること」、「眠ること」、これが元気の素だと思います。

ここでは歩くことについて考えてみましょう。

旅行に行った時、どの程度歩きますか?

観光地に行ったとしても、電車やバスは観光地の前までは行ってくれません。最後は歩きです。しかも足場の悪い山道があったり、長い階段があったりする場合も多いですし、いざ目的地に着いたら着いたで、広大な建物や庭で、結構な距離を歩く必要があるというシチュエーションは多々あります。旅行を思う存分楽しむためには、自分の足で其れなりに歩ける体力が必須だと思います。

先頃、石清水八幡宮に行ってきました。石清水八幡宮と言えば「徒然草」の「仁和寺の法師」を思い出します。
もともとの話は、

仁和寺にある法師、年寄るまで石清水を拝まざりければ、心憂くおぼえて、あるとき思ひ立ちて、ただ一人徒歩よりまうでけり。極楽寺、高良などを拝みて、かばかりと心得て、帰りにけり。さて、かたへの人に会ひて、「年ごろ思ひつること、果たしはべりぬ。聞きしにも過ぎて、尊くこそおはしけれ。そも、参りたる人ごとに、山へ登りしは、何事かありけむ。ゆかしかりしかど、神へ参るこそ本意なれと思ひて、山までは見ず。」とぞ言ひける。少しのことにも、先達はあらまほしきことなり。   
徒然草 第52段

石清水八幡宮に行ったことがないのを残念に思っていた仁和寺の法師が、ある時思い立って参詣します。しかし、ふもとの極楽寺や高良神社をお参りして、それで終わりと思って帰ってしまいます。そして、「長年心にとめていたことを果たしました。聞いてた以上に尊いところでした。そういえば、皆山に登っていましたが、何かあったのでしょうか。気になりましたが、参拝するのが本来の目的だと思って、山までは登りませんでした。」と言ったのでした。
で、「何事も先達はあらまほしきことなり」となる訳です。

仁和寺の法師は石清水八幡宮の本殿が山頂にあることを知らなかったのですが、たとえ知っていたとしても、そこまで歩いて行ける体力がなければ行くことができません。本殿まで歩くと30~40分です。実は、ケーブルカーがあって歩かなくても行けるのですが、折角なので歩いて登りたいですよね。歩く場合は、緩やかな表参道(約40分)と、急な石段を登っていく裏参道(約30分)の二つの方法があります。

私は、行きは裏参道、帰りは表参道を歩きました。表参道と裏参道の分岐点で、表参道のなだらかではあるけれども結構長い道が延々と続いているのを見て、迷わず裏参道の石段を登りました。

兼好法師ではないですが、「何事も体力のあらまほしことなり」と言いたいですね。

ちなみに、仁和寺の法師は「徒歩よりまうでけり」なので、仁和寺から石清水八幡宮の20kくらいを歩いています。

他にも、京都屈指のパワースポット、かつて義経も修行したという鞍馬寺

山門(仁王門)から鞍馬寺本殿金堂に行くには、かつて清少納言枕草子「近くて遠きもの」と綴った、九十九折参道という、坂と階段が続く参道を30分程度歩きます。

実はここにもケーブルカーがありますが、ケーブルカーで行くと、鞍馬の火祭で有名な由岐神社を飛ばしてしまいます。義経ゆかりの史跡なども見ながら、パワースポットならではの鞍馬の雰囲気を満喫するにはやっぱり歩きに勝るものはないのではないでしょうか。

金堂から、さらに奥の院参道を1時間半ほど歩いていくと、縁結びでも有名なもう一つのパワースポット貴船神社に行くことができます。ここも勿論歩きです。

事程左様に歩くケースは多いと言えるでしょう。しょうがないから歩くというのではなく、
道中をより楽しむために、敢えて歩くことを選択できる脚力をキープしたいです。

迷わずケーブルカーに乗るという人でも、道中の神社や史跡をゆっくり堪能しようとするなら、脚力が必要です。

他にも、アクセスが悪い場合もあります。例えばバスが1時間に1本しかないというケースでは、待っている間に歩いてしまうこともできます。少々の距離なら歩けるという自信があると随分と心強いでしょう。

脚力を鍛えるためには歩くことを習慣化するのが一番です。何もしないと衰えます。

例えば電車に乗るときは一駅歩くとか、意識的に階段を使うとか。毎日歯を磨くように、歩くことを習慣化してしまうと、気合を入れてわざわざ運動しようと思わなくても8,000~10,000歩程度は余裕で達成できると思います。

生活の中で歩くだけでは物足りないとか、走りたい、筋トレしたいという気持ちが大きくなったら、ジムに行くなどのバージョンアップを考えればいいでしょう。

自分にあった方法で体力をつけて、どこへでも歩いて行ける足をゲットしましょう。

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この記事を書いた人

昨年定年退職した均等法1期生。
定年後もフルタイムで仕事を続けています。
定年後の不安を解消するため、お金の勉強をスタートしました。
新米のファイナンシャルプランナーでもあります。

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