ふとした切っ掛けで何かに関心が芽生えることがあります。
たまたま、人から話を聞いたのかも知れません。あるいは、何気なく点いていたTVで見たのか、本や雑誌で読んで気になっていたのか、旅先で偶然出会って興味を覚えたからかも知れません。
何はともあれ、自分がこれまであまり気にしていなかったことや、詳しく知らなかった分野に関心を持ったなら、大きなチャンスです。この兆しを放置しないで、興味の向くまま少しずつその世界に入っていくと、段々と世界が広がり、とても面白い世界にハマっていけるかもしれません。知れば知るほど面白くなり、更にその先を知りたくなる。断片的な知識が数珠繋ぎ的にどんどん広がっていく。こういった流れができると、最高に楽しいです。
若さを保つコツは、肉体的にはいつまでも動ける身体を維持すること、精神的にはいつまでも好奇心を絶やさないことではないでしょうか。好奇心のかられるままに深堀りしていくことは脳のためにもいいし、実際にその場所に出かけて行きたくもなるでしょうから肉体的にもいいし、正に、一石二鳥です。
どこから始めるのか。まずはトリガーがあるはずなので、そこからのスタートです。
始めやすいのは「本」でしょう。図書館に行く、書店に行く、アマゾンで探すなどの方法が考えられます。
図書館の蔵書リストやアマゾンで検索すると、大量のリストが出てきます。しかし、哀しいかな、そもそもこの分野に詳しくないので、リストだけでは軽重が分かりません。この分野の必読書なのか、専門的なものなのか、あるいは読む価値もない本なのかが分からないのです。
そんな時は大きな書店に出かけてみましょう。専門書が置いてある大きな書店です。配架の仕方である程度予測できます。売れ筋の本なのか、定番の本なのか、ほぼ誰も買わないような本なのかという感触が掴めるでしょう。
現物をパラパラと捲りながら、手に取った感じ、相性、読みやすさなどの観点から何冊かピックアップしていきましょう。
最初は概要や一般的なことを網羅的に書いてある本がいいかもしれません。参考文献が掲載されているといいですね。そして書評などを参考に、良さそうなものをリストアップしていきます。いきなり買うのに躊躇するならば、図書館で借りましょう。
図書館は、棚を眺めていると想定外の本に出合えるという意外性はあるのですが、新しい本や人気のある本は誰かが借りていることが多いです、蔵書リストで存在を確認して、狙いを定めて借りるのがいいと思います。
これはという本を見つけたら、段々とターゲットを広げていきましょう。樹形図のようにどんどん広がっていくと楽しいです。また、思わぬ方向へ枝分かれしていくのも楽しいです。
例えば自分の話をすると、つい先ごろ「桂離宮」に行きました。すると「日本庭園ってそもそも何?」という興味がわいてきます。そしてまず読んだのが「日本庭園のひみつ」と「日本庭園のみかた」という本です。1冊だけではなく何冊か並行して読んでいくと、重なるところは重要だろうと思うし、違う視点で書かれているので立体的に知識を得ることができます。
読み進めていくと、日本庭園の構成要素として、「お茶」であったり、「禅」であったり「浄土思想」であったり、「花」や「池」、「石」、「水」、という風に世界が広がっていきます。
すると、過去に行ったことのある庭園を思い出したり、次はここに行こうと思ったり、どんどん楽しくなるのです。
いろいろなつながりの可能性があります。
「庭」つながりで「足立美術館」に行こうと思ったり、「足立美術館」に行ったらついでに「出雲大社」に行こうと思ったり、そこから「古代史」に関心が広がったりと世界が広がっていきます。楽しいじゃあないですか?
桂離宮についてはこちらの記事もご覧ください。