嫌なことがあったり、ムシャクシャすることがあったりして、どうにも心が落ち着かないときがあります。
人に嫌なことを言われたとか、仕事で理不尽なクレームを受けたとか、あるいは逆に人に対して言い過ぎたかもと後悔するなどということは多々あります。
そんな時どのように解消しますか。ヤケ酒?、ヤケ食い?、衝動買い? いろいろなパターンがあるでしょうが、ヤケ酒系は後で少なからず後悔しますよね。
先日、人事異動の結果に怒り心頭の女性と話をしました。
組織で働いていたら避けて通れない人事異動ですが、心の底から満足できる人事異動なんてまずありません。多かれ少なかれ不満が残ります。
そして、なんだかんだと話した後の最後のセリフは「今日はもう寝る」
これは正しい選択だと思います。
さて、憤懣遣る方ない気持ちで眠りについたとしても、次の日の朝起きるとんだかスッキリしていませんか?
「そんなこと考えたってしょうがない」とか、「気にしたってしょうがない」、「なる様になる」と思えるようになっているのではないでしょうか。
クリスティアン・ベネディクトとミンナ・トゥーンベリエル著の「熟睡者」によると、
実は、寝る前にストレスと感じていたことが、睡眠中(レム睡眠*)にうまく処理され、朝には心が安定した状態で目を覚ますことができるそうです。起きている間に経験したことと結びついた感情がレム睡眠中に相対化され、自分の感情をうまく処理し、バランスが取れるようになっているそうです。
〇レム睡眠とノンレム睡眠
人の睡眠は大きくノンレム睡眠(non-REM sleep)とレム睡眠(REM sleep)に分けられます。
簡単に言うと、ノンレム睡眠では脳は休息しています。
レム睡眠では体は休息していますが脳は活動していて、記憶の整理や定着が行われていると言われています。
一晩眠ることの効用は他にもあります。
考えが煮詰まった時、とりあえず寝ると翌朝アイデアがうまく整理されていることもよくあるでしょう。「一晩寝かせる」ってやつですね。夜書いたメールは感情的過ぎるから、朝もう一度読み返すべきだとは昔からよく言われるところです。
同書によると、レム睡眠中に記憶がランダムに活性化されます。新しい記憶と過去の記憶の思いがけない組み合わせが生み出され、素晴らしいアイデアが創造されるとのことです。
日本人の睡眠時間は世界的にみて短いと言われています。
経済協力開発機構(OECD)の2021年の調査によると、日本人の平均睡眠時間は7時間22分で、加盟国33ヶ国中最下位だったそうです。しかし、これは全年齢層対象なので子供も入っています。40代、50代だとおそらく6時間台というのが現実ではないでしょうか。
睡眠には様々な効用があるといわれています。
「熟睡者」から気になったところをピックアップしてみると
眠った方が知識が残る
寝不足はアルコールを飲んだのと同じ
快眠だと衝動的になりにくい
「一晩寝かせる」は大正解
一晩寝不足で脳老廃物が5%増える
眠ってスリムになる
7時間未満睡眠では甘いものに抗えない
クリスティアン・ベネディクト、ミンナ・トゥーンベリエル「熟睡者」
身体と精神の健康のために自分の睡眠を一度見直してみませんか。