たまにはいつもと違う行動をしてみると、思わぬ発見をすることがあります。
想定外の発見なので意外性があるし、楽しいし、印象に残ります。
習慣化された行動
私たちの行動の大半は習慣化された行動です。
「朝起きて顔を洗う」「歯を磨く」「朝食を食べる」「駅に向かう」「電車に乗る」・・・
おそらく意識せずとも無意識のうちに毎日のルーティンになっていることでしょう。脳が無駄なエネルギーを費やさずに自動運転してくれるのです。このように特に考えなくても無意識のうちにできる状態を一般に「習慣化」と呼びます。
「継続は力なり」とか「習慣化はメリットがいっぱい」という文脈で語られます。「仕事ができる人の習慣」とか「早寝早起きの習慣」といった言い方もあります。好ましい行動や考え方を無意識にできるように習慣化することは、良き生活のために必要不可欠なことでしょう。
脱・習慣
しかし、いつも自動運転では面白くないでしょう。
例えば本を買う時どこで買いますか。
大きな本屋に行って、いつもと違う棚を眺めてみると、予期せぬ本との出会いがあります。普段見ない棚なので、そもそもどんな本があるのかわからないし、ポップやセレクトコーナーを眺めているととっても楽しいです。
加えて、リアル書店の強みは、配架のされ方によって、話題の本なのかベストセラー本なのか、殆ど誰も手に取らない本なのかなどが肌感覚でわかることです。
Amazonなどのネット書店は欲しい本が決まっている場合や、特定のジャンルのマニアックな本を探す場合などは便利です。売れ筋ではない本も検索できるし、レビューも参考になります。お薦め機能や関連本が出てくるのも便利です。しかし、全く関係ないものが出てくることはないでしょう。偶然の出会いがないのです。
またいつもの本屋だと、どの棚に何があるか分かっているので、新刊本があればすぐ分かりますが、それ以上の新たな出会いの機会が乏しいように思います。ですので、いつもと違う本屋や、いつもと違う棚を見ると楽しいのです。
同じことは他のことにも当てはまります。
よく「意識すると、途端にそのものが目に入ってくる」と感じることがあります。
例えば「赤い車」を意識したら、やたらと「赤い車」とすれ違うといったことはありませんか。おそらく以前にも同じように「赤い車」を見てはいたんでしょうが、脳が意識していないので、気づいていないのでしょう。
GWや年末年始などの長い休みの後、久しぶりにいつもの通勤ルートを歩くと妙に新鮮に感じることもあります。いつもの同じ通勤ルートを何も考えずに歩いていると、道端の景色の変化に気づきません。しかし短時間ではあっても、いつもと同じルーティンのブレイクがあると脳は新鮮に感じて変化を認識してくれるのかもしれません。
逆のパターンもあります。いつもと同じルーティンのごく一部を変えただけでも、うっかり忘れてしまったりします。天気予報を信じていつも持たない傘を持ってきたけど、帰りにすっかり忘れてしまったなどというパターンです。意識してドアの横に目立つように立てかけておくなどしないと忘れてしまいます。
身体的な違和感を感じることもあります。いつものバッグにいつもの中身を入れて歩いているはずなのに、なぜか軽い。よくよく考えると何か忘れ物をしていたなんてことがありますよね。
家のカギをかけたかとか、アイロンのスイッチを切ったかなど、ふと不安になるときがあります。無意識にやっているのでやったという記憶がないのです。でも習慣化されていると手が自動的に覚えてくれているので、大事に至らない場合が多いのではないでしょうか。
さほど習慣の力は強固だということでしょう。
新たな出会いのためには、たまには違うことをやってみましょう。
旅行などは最たるものでしょう。いつもと違った空間に出かけると新しい発見があり刺激的です。これこそ旅の醍醐味でしょう。
なにはともあれ、いつもと違うこと、新しいことをどんどんやってみませんか。