冬になると乾燥が気になります。特に部屋の暖房がエアコンメインだと尚更です。
お肌に悪いし、喉をやられるし、風邪をひいてしまうこともあります。
それではどんな対策をしたらいいのでしょう。
乾燥対策では、理屈上、加湿器などを使って空気中の水蒸気を増やしてあげればOKです。加湿器は様々な種類がありますが、パワフルで、空気を汚さず、手入れが簡単という観点から選ぶなら、スチーム式加湿器一択となります。
なぜ冬は乾燥するのか
そもそも、どうして冬になると乾燥するのでしょう。
空気の中には、水が気体となった「水蒸気」が常に存在しています。水蒸気が多いほど湿った空気、少ないほど乾いた空気となります。
空気が水蒸気の形で包含できる水分量(飽和水分量といいます)は温度によって決まっていて、温度が高いほど飽和水分量は増えます。
この「空気中に含むことができる水蒸気の最大量」に対して、実際にどの程度の水蒸気があるかを示す数値が湿度です。
例えば気温5度と20度の飽和水蒸気量は下記のとおりです。
気温 | 飽和水蒸気量 |
5度 | 6.8g/㎥ |
20度 | 17.3g/㎥ |
5度で湿度50%だと水蒸気は3.4g/㎥(6.8g/㎥×50%=3.4g/㎥)
20度まで暖房で室温を上げた場合、湿度は20%(3.4g/㎥÷17.3g/㎥=20%)まで下がってしまいます。
水分量が一定の場合に、暖房で温めて部屋の温度を上げると湿度が下がるのは当然のことなのです。ですので、乾燥対策は、温度が上がってキャパシティが増えた飽和水分量に見合うだけの水蒸気を増やしてあげればいいということになります。
乾燥したままだと、お肌は勿論、鼻や喉の粘膜などからも水分が奪われます。また、飛沫の中にはインフルエンザなどのウイルスが多く含まれていますが、水分があると重みであまり遠くまでは飛散されません。しかし乾燥して水分が少なくなると軽くなってより遠くに飛散されてしまいます。飛散したウイルスに感染するのがいわゆる空気感染です。
空気中の水蒸気を増やす方法
加湿器
水蒸気を増やすためにはどうしたらいいでしょう。まず思いつくのは加湿器です。
加湿器には「スチーム式」「気化式」「超音波式」の3種類があり、これらの方式を組み合わせた「ハイブリッド式」があります。加湿方式の違いによって、「加湿能力」や「電気代」、「衛生面」、「お手入れのし易さ」などが異なります。
各方式の特徴
方 式 | 特 徴 |
スチーム式 | ●ヒーターで水を加熱して沸騰させ、その蒸気で加湿する方式 ●ストーブの上にヤカンを置いて加湿するイメージ |
気化式 | ●水を含ませたフィルターに風を当て、水を気化させることによって加湿する方式 ●洗濯物に扇風機で風を当てているイメージ |
超音波式 | ●水を超音波で振動させ霧状にして放出して加湿する方式 ●霧吹きのイメージ |
ハイブリット式 | 気化+温風タイプ ●水を含ませたフィルターに温風を当て、水を気化させる方式 ●洗濯物に温風を当てているイメージ 超音波+温風タイプ ●水をヒーターで加熱してから、超音波で水蒸気に変える方式 ●お湯を霧吹きで出すイメージ |
メリット・デメリット
1スチーム式
2気化式
3超音波式
4ハイブリット式
①加熱+気化式
②加熱超音波式
加湿能力 | 清潔さ | 電気代 | |
スチーム | 〇 | 〇 | × |
気化 | × | △ | 〇 |
超音波 | × | × | 〇 |
気化+加熱 | △ | △ | △ |
超音波+加熱 | △ | △ | △ |
ヒーターを使えば「パワーアップ」と「雑菌減」というメリットがある反面、「電気代が上がる」というデメリットがあります。ハイブリットは「スチーム式」「気化式」「超音波式」の弱点をカバーしたものと言えるでしょう。
結局、突き詰めると、「加湿能力」や「清潔さ」をとるか、電気代をとるかという選択になります。
加えて結構重要なのは、「お手入れのしやすさ」です。お手入れが面倒だと使わなくなりますし、雑菌をまき散らしてしまったら元も子もありません。
そう考えると、おすすめは、「加湿能力」+「雑菌をまき散らすおそれがない」+「お手入れが楽」という点でスチーム式一択です。もっとも電気代が高くなるという問題はありますが。
そしてスチーム式のお勧めは象印のこれです。2023年型のラインナップは4種類です。
モデル | タンク容量 | 連続加湿時間 | 加湿面積* | 加湿能力 | 消費電力(加湿時) |
EE-DD35 | 3.0L | 強8/中16/弱32h | ~10畳 | 350 ml/h | 305 w |
EE-DD50 | 4.0 | 強8/中16/弱32 | ~13畳 | 480 | 410 |
EE-RS35 | 2.2 | 強6/弱27 | ~10畳 | 350 | 305 |
EE-RS50 | 3.0 | 強6/弱24 | ~13畳 | 480 | 410 |
使用する部屋の大きさやタンク容量などで選べばいいでしょう。なお、デザインが異なる旧型(2021年型)もありますが、性能は変わりません。
まるでポットですが、シンプルな構造なのでお手入れが楽だし、クリーンでパワフルです。しかも上部からシュワシュワと水蒸気が出るので、見た目でも加湿してる感がものすごくあります。
他の方法
加湿器を使わない方法もあります。空気中の水蒸気を増やせばいいので、加湿器を使わなくても同じ効果は得られます。
- ストーブの上にヤカンを置く。
- 洗濯物や濡れタオルを干す。
- 霧吹きで湿らせる。
- 観葉植物を置く。
- マスクで鼻の周辺の空気を湿らせる。
などの方法が考えられます。
どの方法をとるとしても、ポイントは空気中の水蒸気を増やすということです。
水蒸気を補給して適切な乾燥対策をしましょう。