野口聡一さんの「50歳からはじめる定年前退職」を読みました。
野口聡一さんは、3回の宇宙飛行に成功し、という2つのギネス世界記録(15年のブランク後に再び宇宙船外活動、3つの異なる手段で帰還)も達成された方ですが、2022年、定年の3年前にJAXA(宇宙航空研究開発機構)を退職。次のステージへの一歩踏み出されました。
この本はご自身の体験も踏まえ、60歳定年を目前に「収入」「モチベーション」「アイデンティティ」の三重沈下に悩む50代に向けて発想の転換を提案し、温かいエールを贈ってくれます。
3度のフライトを終えての「やり切った感」と「燃え尽き感」
半径5メートル内の人間関係から生じる職場の「閉塞感」
それらの中で、悶々と展望の開けない将来を思って悩み続けた日々のことが語られています。
しかし決断してしまえば、そこさえ踏み切ることができたならば、その後のことは機械的に進んでいく。野口さんもJAXAを辞めると決めるまでが大変だったが、いったん決断したらトントン拍子と書かれています。
これは全く同感です。
今置かれている環境のなかで悶々としているときは、本当に、次の展望が見えなくて、むなしく日々が過ぎていきますが、一旦決断してしまうと物事は進みますし精神的にも晴れやかな気分になれます。
定年前に舵を切るのは実際問題大変です。
しかし、例えば役職定年だとか、定年まで3年程になってこの部署が最後かなと思った時だとか、あるいは、定年後に再雇用で働いていても、その状況に閉塞感を感じているのならば、次の一歩を踏み出す絶好のタイミングです。
今のままでいることより、別の道へ進んだ方がイキイキとした時間が過ごせると思えるなら、迷わず踏み切ってしまえばいいのだと思います。特に定年後ならもう怖いものはないでしょう。
人生100年時代。まだまだ先は長いのですから。
この本のなかで印象に残ったフレーズ
・たとえ、それまでの会社人生が終わりになろうとも、これから本当のライフプランが始まるのです。もはや会社での評価に依存せず、自分自身の物差しで人生を組み立てるのです。
・「辞めるか、辞めないか」から「辞めよう。そして次をどうする?」へとステップを踏み出す。すると、明確に世界が変わります。
・安定した収入を失うことを恐れて退屈でやりがいのない仕事を継続したり、一人になることを恐れて幸せになれない人間関係を維持したり、失敗を恐れるあまりデメリットを並べ立てて挑戦をあきらめることで安心してしまうのは、変化を恐れる現状維持バイアスがあるからでしょう。