FIREというのは、Financial Independence, Retire Early、経済的独立と早期リタイアを目指す動きです。
アラ還女子の場合は、もはやアーリーリタイアではないのでしょうが、今や65歳まで働くのが当たり前の時代、60歳リタイアならばアーリーリタイアと言っていいかも知れません。
FIREはフローの給料なしでやっていけるだけの収入を貯えてリタイアすることです。FIREというと1億円程度の資産を作って若くしてリタイアというイメージがありますが、それはさておき、定年女子が今後のライフスタイルを考えるとき、FIREの考え方はひとつの参考になるでしょう。
この記事は次のような人におすすめです。
・FIREとは何か知りたい
・定年後は働かずに蓄えた資産で暮らしたいとしたいと考えている
・定年後の資金に余裕はあるが、もう少し働きたいと考えている
FIREとは
FIREというのは、Financial Independence, Retire Early、経済的独立と早期リタイアを目指す動きです。2010年代頃にアメリカで若い世代を中心に支持された考え方で、日本でも徐々に認識されつつあるようです。
アーリーリタイアの条件とは
4%ルールという有名な考え方があります。
「4%ルール」は1998年に米トリニティ大学のグループの研究から導かれたもので、毎年、資産運用額の4%を生活費として取り崩しても、30年以上資産が保てる確率が非常に高いという内容です。
資産運用額の4%を1年間分の生活費として取り崩すということは、逆に言えば、1年間の支出の25倍の資産が必要になるということです。
運用益の範囲で暮らせば、元本は目減りしません。
例をあげると
1億円あれば、それを4%で運用して、400万円以内で暮らすというルールです。
400万で暮らしている限り1億円は減りません。
これは年収400万円で働いているのと同じことです。
5000万円なら200万円です。
運用益>生活費ならばリタイアできます。
定年女子の場合、更に2つの要素が加わります。
1 資産はどこかでゼロにしてもいい
2 原則65歳以降年金が生涯フロー収入として入ってくる
資産をゼロにしていいならば
資産取り崩し額+運用益+年金収入>生活費 です
もっとも元本を取り崩すと運用益は連動して減少してしまいますが。
しかし、一般に生活費は年を重ねると減少する傾向にあるので、なんとかなるような気がしてきますよね。
フローを増やす方法もあります。
定年後も少し働いて収入を得ることです。
例えば70歳まで働くことにして勤労所得を得て、運用益+勤労所得で生活費を賄えるならば、思い切って年金の受給を70歳まで繰り下げて、その後の年金収入を生涯42%アップさせることもできます。
そうすると結構ハードルが下がってくるのではないでしょうか。
経済的独立についての考え方
経済的独立とは結局のところ「嫌なことにNOと言えること」や、「お金があることで選択肢が増えること」、「我慢せずにお金を使える精神的余裕が生まれること」と言ってもいいかもしれません
しかし、悲しいかな、ここに感情的な問題が発生します。
お金は幾らあってもいいのでしょうが、金額に比例して満足度が上がるというものでもないようです。年収でいうなら、800万程度で満足度はピークになり、それ以上お金が増えても満足度は比例して上がるわけではないと言われています。
老後資金について、さっくりとシミュレーションしてみると、手に届かないような額が必要でもないはずです。
ということは、そもそも、無暗にため込む必要もないし、むしろため込んで、自分で使い切れなかったという方がもったいないと思います。
しかし、理屈ではわかるけれど感情的に踏み切れないというのが現実ではないでしょうか。根拠のない不安に襲われてしまうのです。
アラ還女子が今の段階で資産を取り崩し始めるというのは若干不安でしょう。何故なら一般的にまだまだ働ける年齢だからです。みすみす人的資源を捨ててしまうのはもったいないと考えてしまうのです。
加えて、資産を取り崩すだけの生活だと、昨今のように物価が上がると目減りしますし、将来受け取ることができる年金の額が引き下げられるのではという懸念も出てきたりします。
先のことはわからないので、お金はあるにこしたことはない、あればあるほどいいと思ってしまいます。そして、守りに入ってしまう。何かやりたいんだけどお金を減らしたくないと思ってしまう。斯くして人は必要以上に貯めこもうとするのでしょう。
解決策として、もやもやしているなら少し働きましょう。
フローの収入があると精神的に安心できます。貯蓄を取り崩さなくてもいいと思うと安心できます。不安に怯えるよりもいいですよね。
もうひとつの問題は、暇を持て余すのではないかということです。
「ボランティアや趣味をやれば」などと言いますが、やはり対価を得て何かをやるということが大切だと思います。無償のボランティアというのもどこかで無責任になるかもしれませんし、趣味も仕事の合間にやるからいいのであって、そればかりをやるのも辛いでしょう。
「マズローの要求段階説」ではないですが、私たちには「自己実現要求」、「承認欲求」、「社会的要求」という欲求があります。対価を得られて、人の役に立っていると思える何らかの行為が必要なのでしょう。僅かであっても金銭的な見返りがあると励みになります。
折角FIREしたのに、また戻ってくる「FIRE卒業」が出てくる所以です。人は何もしないことに耐えられないのでしょう。
このように考えると、例え経済的に余裕があっても、精神的安心と自分の満足を得るために働くということはいいことだと思います。
では、何故FIREに憧れるのかと考えると、結局のところやっぱり会社が楽しくないのかもしれません。今や約90%の人が勤め人です。
いずれにせよ、アラ還女子はまだまだ若いです。この年代でリタイアするにはおそらく血の気が多すぎるのでしょう。先のことは何とかなると考えて自然体でいくのはいかがでしょう。
結論から言うと「会社からのリタイア」でいいんじゃないでしょうか。
会社からリタイアして、何らかの形で少し働いて、そしてやりたいことをやる。人生どうなるか分かりません。時間が一番大切だと思います。
まとめ
・FIREとは、経済的独立と早期リタイアを目指すことです。
・リタイアのためには生活費の25倍のお金が必要と言われますが、資産の取り崩しや年金などのフローの収入があれば、少しはハードルが低くなります。
・経済的に余裕があっても、働くことには様々な意義があります。
・自分が納得できる働き方で無理のない生活を楽しみましょう。