75歳になったのを契機に仕事から引いた人と話をする機会がありました。
65歳までは普通に再雇用で働き、その後も人徳でしょう、次々と声が掛かり、仕事を続けていましたが、75歳になったので、もういいだろうと身を引いたそうです。
勿論、趣味の活動などは続けているそうですが、開口一番出てきたのが「暇だ」、そして、「仕事は絶対にやめたらダメ」という言葉です。
定年後も仕事を続ける理由として、よく言われるのは、「お金」、「社会とのつながり」、「健康維持」、(所謂、老後の3大不安ですね)の3つでしょう。このことは理解できます。
しかし、今回、彼女の話で一番「そうだよね」と納得したのは、「年金だけでは不十分」ということ。
勿論、ずっと働いてきた人なので、月に20万円位の収入はあるでしょう。ハッキリ言って、20万円あったら年金だけで十分暮らせます。
しかし、曰く、「今の生活水準は下げたくない」
何も贅沢をしたいというのではありません。
曰く、「譲れないものがある」
彼女の場合は、美容のための月数万円のお金は譲れないそうです。
他にも、例えば「習い事の月謝」、「毎月の歌舞伎座」、「時々の外食」などなど
人によって絶対に譲れないものがあるでしょう。
加えて、「孫にもいい顔したい」。プライドの問題です。
これ結構納得です。
他人から見たら、「そんなの別にいいじゃない」ということかも知れませんが、本人にとって「生きがい」というか、「愉しみ」というか、「潤い」というか、そういうものってありますよね。
大げさに言うと、それなくして生きている意味がないというものです。
例えて言うならば、つつましい生活ではあっても花だけは欠かさないという感じでしょうか。
つまり、生活費にプラスして、自分が絶対に譲れないものに使うお金は自分で稼ぐ。
ほんと、凄く共感しました。
これは年齢に関係なく、誰しも当てはまることだと思いますが、譲れない何かに使うお金は持っておきたい。そのために働くというのはとってもわかりやすいし、潔いと思いました。
好きなことをするために金を稼いで何が悪い。
自分が稼いだ金は好きに使って何が悪い。
ということですよね。