定年女子のための賢いお金の使い方

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年度末に定年退職を迎える人も、カウントダウンの段階に入りました。
次のステップはもう既に決まっていることでしょう。

定年が視野に入ってくる50代後半頃から、定年後のお金は大丈夫だろうかという漠然たる不安がふつふつと沸き上がってきます。特に役職定年などで、給料が70%くらい減ってしまうと、この先どうなるのかという不安に陥りがちです。そして、いよいよ定年となると、継続雇用で同じ会社に残ったとしても給料は激減しまいます。この給料でこんな仕事はやってられないと思ったりするわけですが、今は、そのことは置いておいて、ここではお金の面だけを考えてみましょう。

最初の一歩は、今後のマネープランを冷静に計算することです。

自分でシミュレーションしてみればわかりますが、

[今後必要なお金]  ≦ [今持っているお金(貯金)] + [今後入ってくるお金(給料、年金)]

であれば破綻しません。

世の中には不安を煽るような言説が溢れていますが、一般論はさておき、自分のケースを冷静に計算してみましょう。定年まで勤めてきた定年女子の皆さんなら、ある程度の貯蓄もあるだろうし、退職金もあるだろうし、厚生年金もそこそこあるでしょう。ですので、経済面では心配しなくても何とかなるはずです。

そして、右辺が左辺を下回らないように、各項目を自分なりにカスタマイズすることを考えましょう。
例えば「65歳までは働こう」とか、「70歳まで働いて年金を繰り下げよう」とか、「投資しよう」とか、「生活費を節約しよう」などの戦略が出てきます。

まずは、[必要なお金] ≦ [今持っているお金+今後入ってくるお金] をキープしましょう。

これが第1ステップです。

では第2ステップは何か。先ほどの計算式を変形すると

[今持っているお金 + 今後入ってくるお金] ― [今後必要なお金] = [使えるお金]

となります。
今後必要なお金について、かなり余裕をもって見込んだとしても、それなりに残るお金があると思います。

第2ステップでは「使えるお金」を使うことを考えましょう。

お金には使うタイミングがあると思います。

大江英樹さんの「お金の賢い減らし方」という本の中に、沖縄に行ってダイビングをしようと思ったが、65歳を超えていたので断られたという話が出てきます。ということは、幾らお金を持っていても65歳を超えてしまったらダイビングはできないのです。悔しいじゃあないですか。同じような例は沢山あるでしょう。

定年後の人生を楽しむためには、健康でまだまだ体力があるうちになんでもやりたいことをやっておかないと、後で悔むことになりかねません。

使えるお金の見込みがついたら、ケチケチしないで自分の楽しみのために使いましょう。

お金を残してもしょうがないと思いませんか。
自分の楽しみは勿論、子供や孫のために使う、社会のために使う、何であれ、生きた使い方をしたいですね。

お金の使い方について考えるヒントを与えてくれる本を紹介します。

1冊目は、ビル・パーキンスの「DIE WITH ZERO」です。
本の帯には「貯め方ではなく、使い切り方を教えるお金のシン・バイブル」と書かれています。

前書きから少し引用すると、

まずは、有名なアリとキリギリスのイソップ寓話から始めよう。
夏のあいだ、勤勉なアリは冬の食料を蓄えるためにせっせと働いた。一方の気楽なキリギリスは自由に遊んで過ごした。やがて冬が到来した。アリは生き残り、キリギリスには悲惨な現実が待っていた―。

だが、ここで疑問は生じないだろうか?
アリはいつ遊ぶことができるのだろう?
それが、この本のテーマだ。
私たちは、キリギリスの末路を知っている。そう、飢え死にだ。
しかし、アリはどうなったのか?
短い人生を奴隷のように働いて過ごし、そのまま死んでいくのだろうか?
いつ、楽しいときを過ごすのか?

DIE WITH ZERO


2冊目は、沖縄のダイビングの話も出てくる、大江英樹さんの「お金の賢い減らし方」です。

残念ながら、大江さんの遺作となってしまいました。この本の中で、大江さんは過剰な老後不安を持つ必要はなく、人生後半では「お金を増やす」より「お金をどう使うか」を考えるべきだと書いています。

そして本の中で、お金の使い方として、「好きなことにお金を使う」「思い出にお金を使う」「人にお金を使う」「価値にお金を使う」という4つの使い方を紹介し、最終章ではお金よりも大切なものとして「時間」、「信用」、「健康」、「幸福感」の4つを挙げています。

定年後の生活に向けて、マネープランの第2章を考えてみませんか。

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この記事を書いた人

昨年定年退職した均等法1期生。
定年後もフルタイムで仕事を続けています。
定年後の不安を解消するため、お金の勉強をスタートしました。
新米のファイナンシャルプランナーでもあります。

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