NHK3か月でマスターするシリーズの「人体」がスタートしました。
2025年7~9月シーズンの「アインシュタイン」に引き続き、私好みのテーマです。
ナビゲーターは、いとうせいこうさん。いとうさんというと、同じくNHKのヒューマニエンス 40億年のたくらみ」を思い出します。
*「ヒューマニエンス 40億年のたくらみ」は、人間の不思議を科学の面から解き明かす番組で、2024年3月までレギュラー放送されていました。
MCは織田裕二さんと藤井彩子アナ。毎回、様々なテーマを取り上げ、テーマに沿ったトークパートナーが出演します。いとうせいこうさんは常連といっていいくらい出演していました。これものすごく面白いです。大好きな番組でした。
過去の番組はNHKオンデマンドで見ることができるほか、現在、好評だったものをセレクトしてアンコール放送がなされています(NHKBS木曜日10:00~11:00)
さて、「人体」の初回のテーマは「生命誕生の神秘」
直径わずか0.1mm程のたったひとつの受精卵が細胞分裂を繰り返し、やがて約40兆個の細胞からなる人体が作られていきます。
すべての出発点である受精卵には驚くべき能力があります。
ひとつの小さな細胞であるのに、心臓にも血管にも皮膚にも、何にでもなり得るのです。
しかし、分裂が進むにつれ(5日目頃)、細胞はさまざまな細胞へ分化する能力を失い、子宮内膜に着床後(妊娠)、「神経系になる細胞」、「消化器系になる細胞」など特定の役割を持つ細胞へと分化していきます。どの細胞も同じ遺伝子を持っているのですが、どの遺伝子を働かせるか、働かせないかを決めて細胞の役割を決めていくのです。
受精卵は細胞分裂を繰り返し、5日目頃に「肺盤胞」へと成長します。すると胚の内側にある細胞は「内部細胞塊」に、外側にある細胞は「栄養外胚葉」へと変化します。「内部細胞塊」はやがて胎児になり、「栄養外胚葉」はやがて胎盤を形成していきます。
さらに数日経つと「内部細胞塊」は少しずつ形を変え2層の塊へと成長します。
受精後14日目頃には「原腸陥入」と呼ばれる現象が起こり、2層から3層へと変化します。
外側に位置する「外胚葉」、原腸陥入によって生まれた「中胚葉」、内側の層である「内胚葉」です。
「外胚葉」は将来皮膚などの表面組織や神経系に、「中胚葉」は骨や筋肉、心臓、血管、腎臓などに、「内胚葉」は消化管や肝臓、肺などの内臓へと発達していくのです。
3つの細胞層から作られた人の体は、それぞれの組織や臓器に分化していきます。そして38週目頃には出産を迎えます。
さて、分化する前のなんにでもなれる細胞といえばiPS細胞です。
皮膚や血液などの体細胞を採取し、体細胞の初期化を誘導する4つの遺伝子(ヤマナカファクター)を導入すると、最初の受精卵の時のように再びすべての細胞に分化する能力を持ついわば万能細胞に戻ります。
分化は一方通行だと考えられていたのが、iPS細胞は時間の流れを巻き戻すことができるといえるでしょう。再生医療への応用が期待されます。
*同じくなんにでもなれるES細胞は、胎児になるはずだった内部細胞塊を使って作るので、これを使うのは倫理的に問題があると考える人もいます。iPS細胞は大人の細胞から作ることができるので倫理的な問題を回避できます。
iPS細胞については「ヒューマニエンスQ(クエスト) シーズン2」の山中伸弥スペシャル「iPS細胞と生命」「iPS細胞と私たち」もおすすめです。(2023.1.9、1.16にオンエア)
次回以降の番組もとても楽しみです。
