あべのハルカス美術館で開催中の「手塚治虫 ブラック・ジャック」展に行ってきました。
「ブラック・ジャック」は少年チャンピオンに1973年11月19日号から1983年10月14日号まで連載(定期・不定期)、全242話で、秋田書店の少年チャンピオンコミックスでは全25巻になります。
私は、中学・高校の頃、全巻読みました。
連載50周年を記念して、2023年10月から東京シティビューで展覧会がスタート。その後、松本、名古屋、京都、長崎、横浜、福岡、沖縄と巡回、この9月27日から、大阪展が始まりました。
展覧会は4つの室から構成されています。
第1室 B.Jとキャストたち
第2室 B.J誕生秘話
第3室 B.J曼荼羅
第4室 B.J蘇生
第1室では、ピノコ、ドクター・キリコ、本間丈太郎、如月恵などのおなじみのキャラクターが登場します。第1室のみ撮影OKとなっています。
第2室では、ブラック・ジャックの誕生に至る背景が、当時の資料とともに紹介されています。虫プロ倒産の新聞記事、手塚プロダクションや編集者、家族の証言映像、そのほか、「アトム」や「きりひと賛歌」の資料、手塚治虫のドクター論文なども展示されています。また、第1話「医者はどこだ」の全原稿が展示されています。
そして、なんといっても圧巻は第3室の「B.J曼荼羅」、約140話の原稿が所せましと並んでいます。これだけの原稿が展示されるのは初めてとのこと。一つ一つ見ていくと、ブラックジャックの世界に没入できます。
自分でも驚いたのは、何十年ぶりかに見ているはずなのに、ほぼ内容を覚えているということ。勿論、細かいディテールは忘れているところもありますが、ストーリーや印象的なシーンは結構覚えています。中高生時代の記憶、まさに侮るべからずです。
第4室は、手術シーンをアート的な視点から鑑賞する展示や、連載当時の社会背景を知るためのニュース映像なども展示されています。
さて、一つ一つじっくり見ていると時間がいくらあっても足りません。3時間でもキツイです。余裕を持って行ったはずが、気が付いたら閉館アナウンスで、第4室は泣く泣く駆け足で見ざるを得ませんでした。
これから行こうと考えている人は、十分に時間の余裕を持って行きましょう。
私は、始まったばかりの平日に行ったので、まだそれほど混雑はしていませんでしたが、それでも17時を回ると会社帰りのような人がどんどん増えてきます。
自分のペースで見られないとストレスが溜まります。第3室の140話の展示はどこから見てもいいので、混雑しているところを避けて、空いているところからランダムに見ていきましょう。うっかり飛ばしてしまわないように注意しながら、マイペースで見て回りましょう。
第1話の「医者はどこだ」は、全編が絵巻物のようにケースに展示されていて、右から左へと読んでいきます。ですので、ストーリーをきちんと読もうとするならば、前が混んでいても、追い抜けない状態になります。列がなかなか進まずに自分が読むスピードと乖離があると結構疲れます。
なるべく混雑を避けて、自分のペースでじっくり鑑賞したい展覧会です。
ハルカスは会期中無休で、火~金は20時まで開館しているので平日の夜が狙い目かもしれません。